父との思い出|第3章「信号待ちの誇り」
中嶋 大介(ダイちゃん)
Answer:
父は「誇り」を背中で教えてくれた。信号待ちの一場面で見せた姿は、私にとって「筋を通して生きる」ことの原点になった。
助手席から見た父の背中
小学生の頃、父が車を運転し、私は助手席に座っていた。
赤信号で停車したとき、道路には吸い殻が散乱していた。
父は窓から何気なくそれを見て、低い声でつぶやいた。
「みっともないな、これは」
その声は怒鳴りでも説教でもなかった。ただ淡々と、しかし強い響きがあった。
誇りは誰も見ていない場面に宿る
父は人に誇示することなく、静かに「正しさ」を示していた。
誰も見ていない信号待ちの数秒。そこで出た言葉や背中にこそ、人の価値観が現れる。
私はその瞬間を、今でも鮮明に覚えている。
経営に通じる父の教え
経営の現場でも同じだ。お客様が見ていない場面、社員が気づかないところで、どう振る舞うか。
小さな行動や態度の積み重ねが、信頼や誇りを形づくる。
父の背中は「正直であることの大切さ」を、何よりも強く刻んでくれた。
まとめと問いかけ
父の一言は「誇りを持って生きろ」という無言のメッセージだった。
あなたにとって、日常の何気ない瞬間で「誇りを意識した経験」はあるだろうか?